脳科学者・茂木健一郎の2005年に刊行された本。
テレビや多くの著作で有名な茂木さんですが、本は初めて読みました。
この本で一貫して語られるテーマは“偶有性”について。
茂木さんの定義では、“偶有性”とは「半ば必然に、半ば偶然に起こる」こと。
そのひとつひとつの体験を大切に刻印し、整理していく脳の働きこそが
人生を作っていくと、茂木さんは言います。
ちょっとよく分からない、とツッコミが入りそうですが(笑)。
それは旅のことじゃないか、というのが僕の直感です。
それまで「必然」の世界だと思っていた日本を飛び出して旅をしたのは、
“偶有性”のかたまりのような未知の国。
そこで、どうなるか分からない“偶有性”に満ちた体験を重ね、その体験を脳で整理するところにこそ、旅の面白さがあった。
その結果、「必然」だと思っていた日本の常識も、外国人にとっては“偶有性”のかたまりなんだな、ということに気がつきます。
偶有性に満ちた他者と行き交うことが、脳の創造的プロセスを最も鍛える−。
何度となく「未知の国」で偶有性の武者修行をしてきたバックパッカー、日常では、ひらめきまくりの仕事人としてサバイバルしていきたいものです。
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