安宿にバックパックを放り込み、久しぶりに聖地の散策を開始する。
雨期ということもあってあいにくの空模様。
しかし、この熱気は、7年前も今も変わらない。

しばらく歩くと、濛々たる煙を巻き上げる屋台に出くわした。
香ばしい焼き鳥の匂いに誘われて、旅人が数人並んでいる。
旅を始めたころ、屋台の食事に飛びつくには勇気がいったものだ。
目に飛び込んでくるモノにいちいち驚かされる新米のバックパッカーは、
衛生状態の良くないアジアで屋台でのメシはちょっと敬遠してしまう。
けれど、思い切ってこんな焼き鳥を一口にほおばってみるとどうだろう。
遠い異国だったその国が、にわかに身近に感じてくるのだ。
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