2006.03.27 Monday
アラブ地域というと、日本人にはなじみの極めて薄い、遠い異郷という感じを免れない。したがって、1年前のアメリカでのテロのような事件があると、すぐにアラブ人は好戦的で危険な人種だという結論になってしまう。事実、僕のまわりでアラブ諸国に行ったという話は聞かないし、アラブ人と話したという例も見当たらない。そんな状況だから、僕も旅先での治安問題については、多少の不安をもっていたことを、ここに白状する。
2006.03.26 Sunday
世界遺産として、日本にも広くその名を知られるぺトラ遺跡は、ヨルダン観光のハイライトだ。連日世界中から観光客が訪れ、ヨルダンの外貨獲得に多大な貢献をしている。映画『インディー・ジョーンズ−最後の聖戦−』の舞台に使われてからは、世界中の注目を集めるところとなった。
2006.03.24 Friday
このところ『アラビア紀行』を連載中ですが、この前故郷に帰って改めて思ったことがあったので、今日はそれについて書いてみます。旅で感じたことにもつながってくることだし、何よりも都市に住んでいると知らない感覚だなぁと思ったものだから。都市至上主義に反論する意味でも、書いてみようと。
2006.03.23 Thursday
シリア、ヨルダンという国にはなじみがなくとも、「アラビアのロレンス」を知る人は意外に多いんじゃないでしょうか。前回のアラビア紀行「砂漠の道」に書いた英国軍人。第1次大戦時、アラビアを舞台に活躍した伝説の人物です。
2006.03.20 Monday
昨晩からの腹痛と悪寒が治らぬまま、僕はダマスカスのバラムケ・バスターミナルからヨルダンの首都アンマン行きの直通バスに乗り込んだ。乗務員の制止を振り切って、最後尾の席に横になってしばらくすると、やがて、シリア・ヨルダンの国境地帯に到着する。もうろうたる意識のうちに出国手続き、さらにヨルダン側にて入国手続きを済ませ、僕はいよいよヨルダンに入国した。
2006.03.16 Thursday
普段からコーヒー好きの僕は、今度のアラビアの旅でコーヒーを飲むのを楽しみにしていた。苦味が強く、飲めないものには一生飲めないというアラビア・コーヒーを、ぜひ本場で味わってみたと思ったのだ。コーヒーの原産はアフリア北東部かアラビア半島南西部といわれるから、元来のコーヒーの味に出逢えるかもしれない。
2006.03.15 Wednesday
その昔、神が造った
アダムとイヴが天国を追われて降り立った場所。さらにアダムの息子
カインが、弟の
アベルを殺した人類最初の殺人の現場となった由緒ある場所。それが、今はダマスカスの夜景を一望できるビュースポットとなった
カシオン山です。
2006.03.13 Monday
闇の原一面に広がった町の明かりが、まるで宝石を散りばめたようにきらめいている。アラビアの乾いた空気が、僕のいるカシオン山の上に吹き上げてくる。あまり凹凸のないダマスカスの町が放った五彩の光は、そぞろに
「オリエントの真珠」の名を思わせるに十分だった。
2006.03.11 Saturday
中東地域の旅に限らず、訪れた町で最初に行くのが市場です。市場にはその町の人々の生活がそのまま表われていてどこも面白い。タイのバンコクやベトナムのメコンデルタにある水上マーケットなんかは、日本人にもおなじみですよね。パックツアーの日程にも、このあたりは必ず入っているものと思われます。(たぶん)
2006.03.08 Wednesday
アラビアの町が、最もミステリックで最もロマンチックな表情を見せるのは、夕暮れ時をおいて外にない。昼間には強い陽射しを受けた砂色のデコボコに過ぎない光景が、オレンジ色の日を受けて妖艶に輝き出す様子は、日本では到底見られない絵だ。アレッポ城の屋上からこの光景を眺めながら、僕はつくづく旅人たる幸福を感じたわけだが、これも大陸の果てまでやって来たものだけが味わえる幸福である。