真っ青な空にまっすぐ伸びる尖塔を見上げて、思わず目が覚める。

フラッチャニの丘の奥まったところにひっそりと立つ、美しい白壁に赤い屋根が印象的なマリア昇天教会。この建物との複合建築となっているストラホフ修道院ができたのは900年近く前。人々の前に姿を現したのは、きっと、こんな青い空の日だったに違いない。
完成してこの方、このまっすぐな尖塔は、フラッチャニの丘からプラハの町を静かに眺めてきたのだろう。雨の日も風の日も戦いの日も平和の日も−。
歴史あるプラハの町がくぐってきてた膨大な時間を語る静寂。その静寂を背に、穏やかな朝日を浴びる古都を望む。
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