「イスファハンは世界の半分」と讃えられたペルシアの都。
エマーム広場にそびえる巨大なエイヴァーンを見上げて、この門を造ったサファヴィー朝の王、アッバース1世の栄華を思う。
シャー・モスクの入り口をなす巨大な門は、17世紀の初めに、約5年の歳月をかけて造られた文化遺産。精緻な鍾乳石飾りが青く輝く姿は、ペルシア建築の最高傑作と称される。縦510メートル、横163メートルの広さを誇るエマーム広場を飾るにふさわしい建築物だ。
往年の都イスファハンには、シルクロードを通って様々な国の人や文物が往来しただろう。彼らは途方もない王の広場に驚き、堂々たる王のモスクを前にして、きっと肝をつぶしただろう。
物言わず、ただ絢爛たる姿で立つ飾り門が、ペルシア王国400年の盛衰を今に伝えている。
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