たった11日間の旅にかかわらず、連日のアラブ風にさすがの僕も疲労困ぱい。オランダ・アムステルダムでのトランジット8時間は、心身ともに辛いものだった。あわよくば水の都半日観光をもくろんだところが、案内所の先生に流暢な英語でまくし立てられて、さっぱり要領を得ずに、あえなくご破算。結局空港で過ごすハメになった。
オランダは徳川時代から日本と親交のあった国だから、昔のよしみで大方日本人にはなじみやすいところだろうと思ったが、空港に限っては決してソンナことはない。第一、本屋に行っても日本語の本など1冊も置いてない。市内図もあまり要領を得ない。さらに案内所の先生は仏頂面で早口の英語を喋る始末。僕は東京で見知ったBurger Kingに追われて、ホットコーヒーを飲むのが精一杯だった。
8時間のトランジットを何とかやり過ごして飛行機に乗ったのは、午後2時ごろだった。これから約10時間のフライトだと機内放送があったが、あとは日本に帰るばかりだという安心感がある。日本行きのフライトには当然日本食のサービスがあって、僕は散々悩んだあげく、全部洋食を注文した。日本に帰ったら、第一にラーメンを食うことに決めているから、機内食でお茶を濁してはいけない。
そうこうしているうちに、眼下のユーラシア大陸は、日本まであと3分の1を残すのみとなった。当機はあと3時間で、成田空港に到着する。
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