「この本、おもしろいタイトルだね」
机の上に置いてあった本を見て、妻の友人が言いました。
読者が顔をそむけそうな、まがまがしいタイトル。
これも、ご存じ山本夏彦の著作です。
夏彦翁は、昭和54年から死の直前まで、週刊新潮に「夏彦の写真コラム」を連載。『死ぬの大好き』は、そのうち平成8年2月15日号から同10年4月2日号までのコラム99回分に、「不思議にいのちながらえて」を加えたものです。
「この世は生きるに値しないところ」
「飯を食うのも死ぬまでのヒマつぶし」
夏彦翁のそんな言葉を、馬鹿正直に読むなかれ。『死ぬの大好き』で、翁の寸鉄人を刺す箴言に触れてみてください。
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