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死ぬの大好き

死ぬの大好き.jpg

「この本、おもしろいタイトルだね」
机の上に置いてあった本を見て、妻の友人が言いました。
読者が顔をそむけそうな、まがまがしいタイトル。
これも、ご存じ山本夏彦の著作です。
夏彦翁は、昭和54年から死の直前まで、週刊新潮に「夏彦の写真コラム」を連載。『死ぬの大好き』は、そのうち平成8年2月15日号から同10年4月2日号までのコラム99回分に、「不思議にいのちながらえて」を加えたものです。

「この世は生きるに値しないところ」
「飯を食うのも死ぬまでのヒマつぶし」

夏彦翁のそんな言葉を、馬鹿正直に読むなかれ。『死ぬの大好き』で、翁の寸鉄人を刺す箴言に触れてみてください。
映画・読書 | comments (4) | trackbacks (0) admin

Comments

anan | 2008/10/30 08:27 PM
お久しぶりです。お元気そうですね。

山本夏彦は最高です。もう、こういう人は居なくなっちゃいました。洒脱な物言い。文章もほんとにうまい。これほどではなくても、昔は町内に一人くらい、小言幸兵衛がいたものです。
HARU | 2008/10/30 11:22 PM
ananさん、お久しぶりです。お元気でしたか?当ブログ、初の夏彦ファンの出現、大変嬉しく思います(笑)。

夏彦のコラムは、病みつきになってやめられません。希代の名文家にして、モノを見る目をちゃんと示してくれる人。確かに、こういう人には、なかなか出会えません。

これからも時々、夏彦ネタを書いていきます。また遊びに来てくださいね。
anan | 2008/10/31 02:27 PM
今改めて山本氏の生年を確認し、母と同じと知りました。私が親近感を覚えるのは、それが一因かも知れません。

HARUさんのようにお若い方でも、彼の意図するところが分かるなんて!日本もまだ捨てたもんじゃない、と思います。

御存じと思いますが、「塀の中の懲りない面々」を書いた安部譲二を発掘したのは山本氏です。弟子の方は、最初の2作まで輝いていましたが、その後あまり特筆すべき作品がないように見受けられます。

最後まで高品質の随筆を書き続けた山本氏は、すごいと思います。安部氏どころか、我々戦後世代は、激動の、大正・昭和・平成を生きた人の矜持に、及ぶべくもありません。

では、またね。
HARU | 2008/11/01 10:43 AM
ananさん、重ねてコメントありがとうございます。

夏彦翁の生年は、確か大正4年ですよね。翁の言葉に「電光のように」反応してしまうのは、自分が大正生まれの祖父母に育てられたからかもしれません。おかげで、妻には「戦前生まれなんじゃないか?」と疑われておりますが(笑)。

あれだけ質の高いコラムを書き続けたのは、仰るとおりすごいですよね。「人の絶頂は長くて5年」と言って「寄せては返す波の音」を繰り返し説いた翁の見識には感服します。

夏彦ネタ、また書きますので時々遊びに来てくださいね。

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