インド最南端のコモリン岬。
真っ暗なうちに起き出して、ベンガル湾に昇る真っ赤な太陽を眺める。
ヒンズー教の聖地として知られる小さな村カーニャクマリは、
ベンガル湾、インド洋、アラビア海という3つの海が出会う場所。
海からは絶えず強い風が吹き寄せ、激しい波が岸をあらう。
毎朝太陽が昇るころになると、波打ち際のガートにはたくさんの人々が集まってくる。
沐浴をする者、一心に祈る者、聖なる歌をうたう者。
美しいものを見ると、人は祈りたくなる。
インドに限らず、それは世界共通の思い。
水平線の彼方を拝する巡礼者の笑顔に促されて、聖なる朝日に掌を合わせる。
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