2004.10.21 Thursday
僕の向かいの席に座る女性職員は、父親が作った弁当を持って出勤してきます。彼女は、僕よりも4、5歳若いばかりですから、父親はまだまだ現役。出勤前に妻と娘の朝食を作り、弁当まで持たせて家を出て行くという、女性には羨ましいような父親です。
今年で1人暮らし11年目の僕は、料理をするのはどちらかという好きな方です。結婚してからも、週に何度かは、家族に夕食を振舞ってみたいとも思っています。男子が厨房に入ることは、今の時代大いに推奨されるべきで、それなりのレパートリーを身につけるのは男の嗜みだと、すでに結婚した同期の仲間にも主張しています。
しかし、父親お手製の弁当を美味しそうに食べながら、「結婚する相手は料理が上手な人じゃなきゃダメ」という彼女の感覚に、僕は首を傾げています。疑問を感じたのは、パートナーに料理の腕前を求めることに対してではありません。キャリア・ウーマン志向ではない彼女が、やがて子を持つ母親になったとき、厨房での主役の座まであっさり放棄するのではないかと疑うからです。
大正生まれの祖母からもらったいちばんの愛情は、忘れ得ない「お袋の味」にあったと、僕は思っています。だから、自分の子供にも、母親が作る「お袋の味」を与えてやりたいと願うのです。
祖母は、戦時中に祖父と結婚。我儘な夫と姑に散々苦しめられ、我慢の連続だったと、僕に語ってきました。「お袋の味」は大事だけれど、未来の妻になる人に、そんな思いはさせたくないものだと、僕は2つの願望のはざまで悩んでいます。
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2004.10.21 Thursday
僕の向かいの席に座る女性職員は、父親が作った弁当を持って出勤してきます。彼女は、僕よりも4、5歳若いばかりですから、父親はまだまだ現役。出勤前に妻と娘の朝食を作り、弁当まで持たせて家を出て行くという、女性には羨ましいような父親です。
今年で1人暮らし11年目の僕は、料理をするのはどちらかという好きな方です。結婚してからも、週に何度かは、家族に夕食を振舞ってみたいとも思っています。男子が厨房に入ることは、今の時代大いに推奨されるべきで、それなりのレパートリーを身につけるのは男の嗜みだと、すでに結婚した同期の仲間にも主張しています。
しかし、父親お手製の弁当を美味しそうに食べながら、「結婚する相手は料理が上手な人じゃなきゃダメ」という彼女の感覚に、僕は首を傾げています。疑問を感じたのは、パートナーに料理の腕前を求めることに対してではありません。キャリア・ウーマン志向ではない彼女が、やがて子を持つ母親になったとき、厨房での主役の座まであっさり放棄するのではないかと疑うからです。
大正生まれの祖母からもらったいちばんの愛情は、忘れ得ない「お袋の味」にあったと、僕は思っています。だから、自分の子供にも、母親が作る「お袋の味」を与えてやりたいと願うのです。
祖母は、戦時中に祖父と結婚。我儘な夫と姑に散々苦しめられ、我慢の連続だったと、僕に語ってきました。「お袋の味」は大事だけれど、未来の妻になる人に、そんな思いはさせたくないものだと、僕は2つの願望のはざまで悩んでいます。
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2004.10.10 Sunday
対馬にやってきました。今回は旅ではなく、仕事での訪問です。今までは九州さえも来たことがなかったのですが、いきなり対馬を訪れることになろうとは、分からないものです。
対馬がどこの県に属しているかさえ知らない人は、意外に多いと思います。その大きさの割に、沖縄や屋久島のように派手さがないせいかもしれません。しかし、内容は実に興味深いものです。
対馬は、韓国に最も近い島だ!というのが、この島に降りた立った時の、僕の最初の感想です。福岡まで150キロ、釜山までは50キロ、というのですから、それは当たり前のことかもしれません。島内で一番大きい厳原の町を歩いてみると、ハングルの看板も多く見かけます。韓国とは毎日高速船で結ばれている、という事実も、余所者には意外なようですが、地元の人には日常の事実に過ぎません。この島の西海岸の方からは、天気が良ければ釜山の町が建物まではっきり見ることもできるのです。
その近い韓国からやってくるのは、何も人だけではありません。低気圧が過ぎた後には、対馬暖流に乗って、たくさんのごみまでもが押し寄せるのです。
僕は今日の午後、ボランティアの一員として島中央部の入り江で清掃作業に参加したのですが、海岸に打ち寄せたごみの量たるや実に膨大。ペットボトルや様々な漁具、流木、発砲スチロールなどで地面が埋め尽くされています。日韓合わせて60人ほどが1時間半かけて作業をしても、塵ひとつ残らず、という訳には行かないほど、拾っても拾っても、ごみはなくなりませんでした。。
ハングル文字の刻印されたごみを拾いながら、韓国がすぐ隣りの国であることを、初めて実感したような気がしています。
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2004.10.10 Sunday
対馬にやってきました。今回は旅ではなく、仕事での訪問です。今までは九州さえも来たことがなかったのですが、いきなり対馬を訪れることになろうとは、分からないものです。
対馬がどこの県に属しているかさえ知らない人は、意外に多いと思います。その大きさの割に、沖縄や屋久島のように派手さがないせいかもしれません。しかし、内容は実に興味深いものです。
対馬は、韓国に最も近い島だ!というのが、この島に降りた立った時の、僕の最初の感想です。福岡まで150キロ、釜山までは50キロ、というのですから、それは当たり前のことかもしれません。島内で一番大きい厳原の町を歩いてみると、ハングルの看板も多く見かけます。韓国とは毎日高速船で結ばれている、という事実も、余所者には意外なようですが、地元の人には日常の事実に過ぎません。この島の西海岸の方からは、天気が良ければ釜山の町が建物まではっきり見ることもできるのです。
その近い韓国からやってくるのは、何も人だけではありません。低気圧が過ぎた後には、対馬暖流に乗って、たくさんのごみまでもが押し寄せるのです。
僕は今日の午後、ボランティアの一員として島中央部の入り江で清掃作業に参加したのですが、海岸に打ち寄せたごみの量たるや実に膨大。ペットボトルや様々な漁具、流木、発砲スチロールなどで地面が埋め尽くされています。日韓合わせて60人ほどが1時間半かけて作業をしても、塵ひとつ残らず、という訳には行かないほど、拾っても拾っても、ごみはなくなりませんでした。。
ハングル文字の刻印されたごみを拾いながら、韓国がすぐ隣りの国であることを、初めて実感したような気がしています。
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2004.10.05 Tuesday
シアトル・マリナーズのイチロー選手が、ついに大リーグ記録を塗り替えました。159試合目に達成した258安打。実に大リーグ84年ぶりの快挙だそうです。ブラウン管を通して観る、その瞬間のグラウンドの光景や観客席の反応は、まさに感動的。ヘルメットを掲げるイチロー選手の姿は、テレビの前の僕まで、何だか誇らしい気持ちにさせてくれました。
少年時代は、僕もまたイチロー選手と同じ、無類の野球少年でした。近所の仲間達と、毎日暗くなるまで野球に明け暮れた日々を、今も時々懐かしく思い出します。その当時は王選手に憧れて、「自分もいつか巨人軍の4番バッターになる!」と意気込んでいたものです。
それから何年も経たない15歳の夏、僕は早々に才能の限界を悟って野球人生に終止符を打ったわけですが(早っ)、巨人軍の4番バッターの座は、同い年の松井選手が務めることになりました。その松井選手は、今やニューヨーク・ヤンキースの4番打者に君臨しています。
さて、イチロー選手は、記録を達成した試合後のインタビューで、「小さなことの積み重ねが、とんでもない記録につながる」と、晴れ晴れとした表情で語っています。誰にもできる小さな努力を、ただ地道に積み重ねた結果が、84年の間、誰にも成しえなかった記録の更新に繋がったのです。
松井選手の座右の銘は、「努力できることが才能である」だそうです。同い年の松井君や、ひとつ年上のイチローさんにできたことが、自分にできないはずはない、と、彼らの活躍を観ながら僕は思っています。幸い、小さなことを積み重ねることは僕の性に合っています。
あ、今から野球選手になろうっていうつもりはないですよ(笑)。
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2004.10.05 Tuesday
シアトル・マリナーズのイチロー選手が、ついに大リーグ記録を塗り替えました。159試合目に達成した258安打。実に大リーグ84年ぶりの快挙だそうです。ブラウン管を通して観る、その瞬間のグラウンドの光景や観客席の反応は、まさに感動的。ヘルメットを掲げるイチロー選手の姿は、テレビの前の僕まで、何だか誇らしい気持ちにさせてくれました。
少年時代は、僕もまたイチロー選手と同じ、無類の野球少年でした。近所の仲間達と、毎日暗くなるまで野球に明け暮れた日々を、今も時々懐かしく思い出します。その当時は王選手に憧れて、「自分もいつか巨人軍の4番バッターになる!」と意気込んでいたものです。
それから何年も経たない15歳の夏、僕は早々に才能の限界を悟って野球人生に終止符を打ったわけですが(早っ)、巨人軍の4番バッターの座は、同い年の松井選手が務めることになりました。その松井選手は、今やニューヨーク・ヤンキースの4番打者に君臨しています。
さて、イチロー選手は、記録を達成した試合後のインタビューで、「小さなことの積み重ねが、とんでもない記録につながる」と、晴れ晴れとした表情で語っています。誰にもできる小さな努力を、ただ地道に積み重ねた結果が、84年の間、誰にも成しえなかった記録の更新に繋がったのです。
松井選手の座右の銘は、「努力できることが才能である」だそうです。同い年の松井君や、ひとつ年上のイチローさんにできたことが、自分にできないはずはない、と、彼らの活躍を観ながら僕は思っています。幸い、小さなことを積み重ねることは僕の性に合っています。
あ、今から野球選手になろうっていうつもりはないですよ(笑)。
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