2005.08.25 Thursday
仕事で打ち合わせが始まって2時間、眠気をこらえながら、
ふと、今日が誕生日だったことに気がつきました。
8月下旬は夏休みの時期なので、
この日は旅をしていた年もありましたが、
今年は台風の迫る東京で向かえる誕生日です。
三十代になったら何か変わることはあるだろうかと、
若い頃はいろいろ考えるものです。
三十代になったから何かが劇的に変わる、ということはありません。
ただ、その時ごとに、やっておくべきことがあるのだろうと思います。
旅先で出会う日本人は、数年前から、自分よりも若い人ばかりになりました。
旅をするのに何より必要なのは体力ですが、
いつ出かけることになっても困らないように、
体力作りは続けていきたいと思っています。
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2005.08.24 Wednesday
スーパーの鮮魚売り場を眺めていて、真だこのパックに書かれた生産地に目がとまりました。インド洋のマグロとノルウェー産の鮭の横に、「モーリタニア産」と表示されたパック入りのたこが並んでいます。
調べてみたら、モーリタニアはモロッコや西サハラの南にある、アフリカの小国。貧乏旅行でいろんな国を見てきたつもりでも、世界に知らない国はまだまだあって、日本との意外な関係に驚くことがあります。
2000年の『imidas』別冊付録「ワールド・アトラス」によると、モーリタニアは人口258万人で面積は日本の2.7倍。ベルベル系モール人(!)とウォロフなどの黒人からなるイスラム教国だそうです。1人あたり国民総生産は日本のなんと1.1%、エネルギー消費量は2.5%というから、日本人には想像もつかない生活をしていることがわかります。さらに、非識字率は62.3%にのぼり、高等教育在学率は3.9%に低迷していることからは、将来も苦難を免れないだろうことがわかります。
そんなアフリカの小国にとって、千里の波頭を超えて、特産(に違いない)真だこを買ってくれる日本は、上客中の上客でしょう。それを食べる日本人が自分たちを知らなくとも、かの国には日本を知る人が少なくはないでしょう。
新聞やテレビは、外国といえば欧米のことしか言わないから、僕は好んで欧米以外の国に出かけます。それらの国には、新聞やテレビが報じない外国があって、初めて訪れた僕の耳目をいつも驚かします。
世界の中の日本と言うのなら、欧米以外のそれら無数の国々にも、少しは関心を向けたほうがいいと、僕は見ています。
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2005.08.23 Tuesday
サイトをブログ化して1週間が経ちました。
オープンする時、トップに使う写真をどれにしようかと迷ったのですが、
最後に選んだのは、ネパールの首都カトマンズで撮ったショット。
町の中心にダルバール広場という王宮前広場があって、そこで遊ぶ子供達の表情が印象的です。
内容はともかく、サイトのデザインについては、
褒めていただくことが今までにも度々ありました。
何しろやり手のプログラマーが全面的に引き受けてくれていて、
その点は、僕はタッチしておりません。
あとは内容を充実させるだけです(笑)。
元は旅先の旅行紀を連載していくサイトで、
それに、いちコンテンツとして加えたのが「旅のすきま」です。
これまで通り、旅先で書いた紀行文、コラムを中心に発表していきますが、
ペースを維持することがさしあたっての目標です。
皆さん、これからも気軽に遊びに来てください。
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2005.08.22 Monday
埼玉県の入間川の支流に、名栗川という小さな川があります。今年の1月1日に、隣の飯能市と合併して、今その名はありませんが、この流域には名栗村という人口2700人の小さな村がありました。「西川材」が特産で、視界の先に連なる山々には、きれいに枝打ちされた杉やヒノキの林が行儀良く並んでいます。
夏の日射しが照りつける日曜日、その名栗川に、職場の仲間とバーベキューに行ってきました。東京の近郊にもこんな場所があったかと思えるような緑に囲まれた場所で、川のせせらぎを聞きながら焼くバーベキューの味は格別。息の詰まりそうな都会から、自然を満喫しようと訪れた家族連れがたくさん来ています。
高校生の時、授業で「川で泳いだことのある者いるか?」と先生に言われて、そんなの普通だろ、と思って手を挙げたらクラスで4人だけだった、ということがありました。僕の実家のある地域は山形でも有数の豪雪地帯で、幼いときに山や川で遊ぶことは当たり前でした。山形市内の高校で水道の水が飲めなかった、というくらい水がきれいな故郷を持ったのは、幸せなことだと思っています。
故郷なら日常できる「自然体験」を、都会に住む今は、そのたびに長い道のりをわざわざ車で出かけてやっています。バーベキューに限らず、スキーをするにも、星を眺めるにも。
効率性ばかりもてはやされる昨今ですが、せめて、都会人にリフレッシュの場を提供してくれる日本中の「ふるさと」を、大切にしなければなりません。
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2005.08.21 Sunday
地下鉄銀座一丁目駅の階段を上って、時計で有名な和光ビルを目指して歩いていくと、カメラを片手に「ここは東京のシャンゼリゼだ…」とか何とか解説をしているフランス人とすれ違いました。歩行者天国で賑わう往来の真ん中で、大道音楽家がラテン風のリズムを奏で、道行く人の耳目を楽しませています。
何も予定がなければ、昼過ぎに家を出て銀座で読書、というのが、僕の休日の過ごし方。「銀座で読書」、というとキザに聞こえますが、何のことはない、学生時代に失恋をして、少しは男を磨こうと映画館に行くようになったのがきっかけです。失恋したおかげで、僕は20代のうちに数々の名作に出逢うことができました。銀座と映画は、僕にとっては切り離すことはできない存在です。
さて、銀座には「橋」のつく場所が多くあります。今は高速道路が通っている場所は江戸城の掘割だったところで、これに沿って、京橋、鍛冶橋、数寄屋橋…と、物語の舞台になった地名が並びます。銀座と京橋を隔てる首都高の下には、昭和30年代までここに架かっていた京橋の親柱が残っていて、昔の名残をとどめています。埋め立ててしまった堀割が今残っていたならば、銀座は水の街だったかもしれません。
今日は久しぶりに銀座を歩いて、喫茶店で往来を歩く人を眺めながら、落ち着いて読書をすることができました。僕にとっては、この上ない贅沢な休日になりました。
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2005.08.19 Friday
9.11に向けて、永田町も選挙モードに突入です。昼休みに外に出たら、テレビカメラが1台、2台…。この界隈には国会の先生方の事務所が多いので、政局が緊迫すると各局放送局がこぞって押しかけます。
小泉総理が「殺されてもやる!」と絶叫したらしい郵政民営化を問う今回の選挙。衆院解散は暴挙だと批判する政党関係者が多いにもかかわらず、新聞各社の小泉内閣支持率は軒並み上昇気配です。政権奪取を目指す岡田民主党は、鬼気迫る総理の決断に面食らった気味で、ようやくマニフェストを発表したばかり。政権交代を狙う最大野党としては、ややパンチ力に欠ける印象があります。
そして、最大のサプライズは、何と言ってもホリエモン。ニッポン放送経営権を巡るフジテレビとの果たし合いの次は国会進出となるのでしょうか。彼の「新しい流儀」は節操がないから、きっと出馬するだろう…と思っていたら、「堀江氏広島6区から無所属で出馬」の速報。「郵政民営化に賛成だが、初の立候補でありぜひ無所属で試したい」とのコメントが出ました。立派な志を語った風ですが、にわかに政治家に転身しようとする行動に支持は集まるのでしょうか?
ホリエモンに限らず、有名女優、料理研究家、財務省のマドンナ、タレント知事以下続々と名前が挙がる人々は、これを称して「刺客」と言うのだそうです。これに対する郵政民営化反対派の一部が旗揚げした「国民新党」は、平均年齢68歳。印籠を手にしてご満悦の元衆議院議長がリーダーです。昨日は、公判中の元議員が、新党「大地」を立ち上げました。
「郵政解散」に始まって、めまぐるしく展開する政界の動きに、マスコミは大喜びです。しかし、浮かれてばかりはいられません。サラリーマン増税は実施されるのか、老後の年金はちゃんともらえるのか、借金まみれの国の財政をどう立て直すのか、などなど日本の将来を左右する大切な問題が山ほどあります。
永田町には、今日も暑い日差しが照りつけて、自民党本部前の並木の緑が鮮やかです。この並木が秋風に揺れる頃まで、長い政治ドラマが続きます。
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2005.08.18 Thursday
航空機事故が続いています。おとといベネズエラでウェスト・カリビアン航空機が墜落、150人以上が犠牲になりましました。
どこの国の飛行機が安全で、どこの国の飛行機は危険かという情報は、どれくらい信用できるのか。日系の飛行機は安心、途上国の飛行機は怖い、というイメージはどうしてもつきまといますが、先週のキプロス機墜落、エールフランス機の着陸失敗、JALのトラブル多発と、先進国の飛行機事故も、最近は目立つようです。
機上の人になったら命を預けるしかない、と思いながら、僕はいつも飛行機に乗り込みます。途上国の旅が多いだけに、ロイヤルネパール航空、インディアン・エアラインズ、ガルーダ・インドネシア航空、マンダレー航空、ボリビア航空、イラン航空…と、普段なかなか乗れない飛行機での旅もありました。
銃を抱えた兵士のチェックを受けて、ミャンマーの国内線マンダレー航空のプロペラ機に乗って、気の抜けたコーラを飲むのは気分の良いものではないけれど、無事でさえあれば、それはかえって良い思い出になるものです。
4年前の「9.11」、ニューヨークの世界貿易センタービルが崩れ落ちる映像を観たのは、南米旅行から帰ったその日のことでした。たった20数時間前に利用したフロリダ半島のマイアミ空港から出たアメリカン航空機がテロに使われた、というニュースは衝撃的でした。そのアメリカン航空機に乗って、台風の吹き荒れる成田に強行着陸した時は、先進国の飛行機だからと妙に安心していたのですから。
未知の国への一人旅は、何度行っても不安が消えません。現地で立ち往生しないように、旅人はいろんなリスクを想定して準備をするものです。でも、飛行機事故だけはあきらめるしかない。いつか大地震が起こるに違いない東京にいるよりも安全だ、くらいに割り切って、快適な空の旅を楽しみましょう。
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2005.08.16 Tuesday
わが社での突然のクールビズ解禁から、はや二ヶ月が過ぎました。梅雨も明けて、いよいよクーズビズたけなわ!ということで、遠慮がちにネクタイをはずした同僚や先輩方も、そろそろ「クール」に変身するだろうと、僕は予想していました。
梅雨が明けようが、各局のお天気お姉さんが、朝からノースリーブで「今日は酷暑です」と予報しようが、冷房の設定温度は28度以下になることはありません。僕は、梅雨も明けないうちからチノパンにポロシャツで出勤していたわけですが、いまだに周囲はネクタイをとっただけの「酔っ払いスタイル」がほとんどです。数少ない若手が、せいぜいボタンダウンシャツやカラーシャツを着ているくらい。
貧乏旅行が趣味、というだけで、僕は社内の「変わり者」に違いないのです。が、期間限定でスーツという制服を脱いで、自由に仕事時のスタイルを楽しもう、という発想が、ここんなに「変わりもの」だとは思いませんでした。
同僚諸君は、「今日は出勤か?」と皮肉ったり、「何だかニートみたいだな」と笑ったり、「随分涼しそうだな」と羨ましがったりしていますが、僕は「常識の範囲内」で行動しているつもりなのです。
暑い暑いと言いながら、頑なにYシャツで出勤する同期の仲間に、「ポロシャツは涼しいぞ」と勧めたら、「そこまでの勇気はない」とという答えが返ってきました。レールから外れることを恐れるサラリーマンの本音を、何だか聞いたような気がします。
まだまだ夏真っ盛りですが、涼しくなってから、バーゲンで買った新しいスーツに、お気に入りのネクタイを締めて出勤することが、僕は今から楽しみです。
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2005.08.10 Wednesday
ケンジントン・パレスの前にあるラウンド・ポンドのほとりにたたずんで、羽を休める白鳥の群れを眺めていると、自分がヨーロッパの大都会にいることがウソのような、一種清浄なる空気に洗われて陶然たる心持がする。悲惨の死を遂げたダイアナ元皇太子妃の住まいであったケンジントン・パレスは、レンガ積みの素朴な姿で、妃の魂を今も悼んでいるかのようだ。
ピカディリ−・サーカスの刺激的な街並みに大挙して押し寄せる日本人が、ヴィクトリア・エンバンクメントの優雅な並木道や、ケンジントン・ガーデンスの渺茫たる森を閑却するのは、今も昔も同様のこととはいえ、あまり感心すべきことではない。倫敦滞在の最終日を迎えた僕が、ほとんどテムズ河とケンジントン・ガーデンスで過ごしたのは、これらの景色のうちに、普段の倫敦を見ることができると思うからである。
クリストファー・レンが全霊を傾けたセント・ポールの大伽藍を眺めた後に、ヴィクトリア・エンバンクメントをぶらついて、ウェストミンスター・パレスの対岸にあるアルバートエンバンクメントのベンチに腰掛けて、サンドイッチを食べるなどは、倫敦的な空気を味わうには申し分のないコースだ。
さらにウェストミンスターからバスに飛び乗って、行く行く倫敦見物をしながらマーブル・アーチで降りて、ハイド・パークとケンジントン・ガーデンスを散策する。ピカディリ−の刺激的な色彩と、ケンジントン・ガーデンスの鬱蒼たる森やテムズ河の流れのどちらに真正の倫敦が存するかは確かに問題だが、僕は断然、後者の景色を愛する。生存競争のいよいよ激烈な現代においても、なお頑として動かぬこれらの風景がある理由に想いを致すことができたならば、その人は、はるばる倫敦まで来た甲斐があるというものだ。
ピカディリ−に出くわす日本人の群れが、かかる風景のうちにあまり見られないのは残念と言う外はない。陽の射し始めたケンジントン・ガーデンスの森で、僕は今日ある幾多の倫敦的色彩に出逢ったことを、無上の幸運だと思った。
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2005.08.09 Tuesday
東京の永田町に勤務して6年目になります。国会や自民党本部が建ち並ぶこの町のハイライトは、何と言っても「政局」。辞書には「ある時点における政治の動向。政界の情勢。」とありますが、平たく言うと、ダイナミックな(?)政治ドラマのことです。そう、例えば、昨日の郵政民営化法案を巡るドタバタ劇のような。。。
永田町には、国会や政党の本部、議員の先生方の事務所が多いので、テレビで見知った顔を見ることもしばしばです。不人気だった森前総理が、相撲のような体を揺らして横断歩道を渡っていたり、議員会館の廊下で、秘書を叱る真紀子さんのダミ声を聞いたり、「抵抗勢力」のリーダー亀井さんとエレベーターで乗り合わせて、内輪話を盗み聞きしたり、といったこともありました。
さて、今回の郵政民営化問題。僕の6年間の永田町勤務の中でも、とりわけ大きな「政局」となった訳ですが、永田町の熱気とは裏腹に、国民の目はどうも冷めているようです。郵政民営化問題は、新聞のアンケート結果を見ると優先度は7番目か8番目くらい。「もっと大事な問題があるじゃないか」という声が、永田町界隈にも聞こえています。
まとめて失職した先生方は、これから地元に帰って選挙活動に取りかかるでしょう。嵐が過ぎた永田町は、選挙までの間、しばらくひっそりとした日が続きます。
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