<< May | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 6.世界一の迷宮都市 | main | 8.旧市街と新市街 >>

7.モロッコ料理の味

 旅人にとって、食は重要な地位を閉める要素である。辛い記憶も、また楽しかった記憶も、その時に食したものの味とともに、深く脳裏に刻まれることとなる。普段口にすることのない味を、これまでの旅でずいぶん味わってきたものだが、僕にとってはこれも大きな財産になっている。
 モロッコの旅で、必ずと言っていいほど挙げられる代表的料理に、クスクスとタジンとハリラがあるが、その中でも、今回の旅で僕が最もよく食べてきたのは、ハリラである。

 ハリラというのは、魚や肉でダシをとって、トマトや豆などと煮込んだスープである。モロッコでは、日本における味噌汁のごときものだと僕のガイドブックにあるが、味噌汁よりも栄養があって旅人には有難い一品だ。

ハリラ

 腹を壊して、フラフラになってティネリールにたどり着いた3日目の夜、町の食堂で食べたハリラの味は忘れられない。オートアトラスを越えてカスバ街道を行った8時間半に及ぶ酷暑の中のローカルバス。砂と汗にまみれて、同乗のモロッコ人とともにひたすら耐えたこの日の思い出と、到着後に口にしたハリラは、今回の旅でも特に印象に残る一コマとなった。

タジン

 もう1つ、日本人になじみやすいモロッコ料理といえばタジンがある。少々値が張るだけにオーダーした回数はそう多くなかったが、ブロックにした鶏肉や羊肉と、ジャガイモやにんじん、玉ねぎなどと一緒に煮込んでスパイスで味付けした一皿はボリューム満点。貧乏旅行では不足しがちな栄養を、つかの間の贅沢で補うのに適した料理だ。

 モロッコの主食は、アラビアパンという、丸くて少し固めのパンである。米が好きな僕には、したがって食の点では我慢を強いられる毎日となった。外国を旅して常に思うのは我が日本の住みやすさだと、多くの旅人が言うのを聞いてきたが、その思いを強くするのは食事ではないかと、今回の旅で強く感じだ。
モロッコ紀行 | comments (3) | trackbacks (0) admin

Comments

睦月 | 2006/09/06 12:23 PM
HARUさん、こんにちわ。
以前もココで、帰国したらまっさきに食べたいものの話題になって、ラーメンとコメントした記憶のある睦月です。東京はまた真夏日が戻ったように暑いですね・・。

旅における食事・・・。大事ですよね(笑)睦月はどちらかというと、食すことよりも見ることが大事なので、今までの旅ではグルメには全くこだわらなかったの。せっかくイタリアに行ったときも観光メインで本場のジェラートもパスタも堪能することがなかった・・・(苦)
でもね、睦月は何一つ好き嫌いがないので(コーヒー以外ね)、どこの国に行っても出されたものは何でも食べる。きっと虫で蛙でも食べる。
先進国よりも、どちらかといえば、こういったちょっと土臭い国の方が素敵なものを食すことができますよね。トルコで食べた100%ニンニクの冷製スープはなかなか興味深い味がしたのは一番記憶に残っています(他の人はヒドイ顔をしながら食べてた)。

あのね、シンガポールにいったとき、屋台で殻ごとボイルした山盛りの貝をビールのつまみで食べてたの。そしたらね、屋台の人が水とライムのかけらが入ったボールも一緒に持ってきたの。睦月ね、その貝があまりにも生臭くて食べにくかったから、ボールに入っているライムを絞って食べてたの。その横で友達が、「たぶん、それって手を洗うための水に入れているライムだよ。」って言うもんだからビックリして(爆笑)。
・・・無知って怖いなああって。
HARU | 2006/09/06 05:50 PM
睦月さん、いつもコメントありがとう。

旅先での食事、大事だよねぇ。
貧乏旅行ではグルメな要素よりも「生きるため」に食べるという要素が多いのだけど(苦笑)。
栄養つけないと旅は続けられないから。
でもたまに、町の食堂でさえビックリするくらいおいしいものに出会うことがあるものです。
食べ物の味は、その町の匂いと同じくらい、強烈な思い出になるよね。

睦月さんがシンガポールで体験したように、見知らぬ国で未知のものを食べる体験は何とも言えないスリルがある。
それも旅の醍醐味のひとつだよね。

今回のモロッコ旅行では、ハリラに小魚のふりかけを食べていて、逆にけげんな顔をされてしまいました(^^;;
HARU | 2006/09/06 06:02 PM
>Pamy さん

せっかくコメントもらったのにごめんなさい。
スパムコメントの処理の時に手違いがあったみたいで。。。

この晩に食べたハリラは確かにカレー色でスパイシーな味でした。
だけど、店によって味は色々で、トマト味が強いのがあったり、魚風味のものがあったり。
日本で、店ごとにラーメンの味が違うのと似ています。

食事の値段はねぇ。
モロッコは高かったです(笑)。
普通のレストランで満足に食べると700円くらいはする。
一泊の宿が1000円以下なのに、一食にこれだけかけるのは、僕には高すぎる。
で、サンドイッチ屋に行ったり、ハリラとアラビアパンで済ませたり。
おかげで10日間の旅で3キロ痩せました。

ちなみにインドあたりだと一食30円〜50円くらいで定職がたらふく食べられる。
旅人にはありがたい国です。

Trackbacks

Trackback URL : http://www.saftyblanket.com/travel/2008/sb.cgi/233