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おすそ分け

 「恥のおすそ分けや(笑)」
というので、結婚式のスピーチを頼まれました。結婚するのは、昔ネパールであった旅仲間。
 「雛壇にあがるなんてワタシのガラに合わない。この際ハルくんも道連れにしてやる」と、“旅はみちづれ”を変なところに応用するので泡を食っています。
 場所は、東北生まれには縁もゆかりもない大阪。しかも、僕は新婦の友人(!)です。ひとり旅で出逢った仲間ですから、僕にとって、知人は新婦以外にいないでしょう。新婦の友人と紹介された僕を、聴衆は、ハテどんな友人だと注目するでしょう。

 山口瞳の『礼儀作法入門』には、「スピーチをするときはその場の状況に合わせてやるべし」とあります。けれど、結婚式でのスピーチは初めての僕に、その場の状況に合わせる余裕があるとは思えません。それに、見しらぬ中に1人で乗り込むのだから、スピーチをしやすい状況にあるとは思えません。

 わが故郷の町長だった祖父は演説の名手で、全国いろんな所で講演をして回った人です。僕は故郷で成人式があったとき、何の因果かその祖父に向かって、壇上で成人代表の言葉を述べたことがあります。
 式の翌日祖父は、お前にしてはまずまずだったなと言った後で「人を感動させるのは話の中身じゃないんだ。呼吸が大事なんだ」と言ったものです。

 不肖の孫にとっては話の呼吸どころでない、せいぜい息が詰まって卒倒しないように、なんとか無事つとめたいと思っています。
旅のすきま | comments (2) | trackbacks (0) admin

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