<< May | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< メクネスの風景 | main | 「旅」を振り返る >>

9.エピローグ

砂漠

「日出づる処の天子、日没する処の天子に書を致す。恙なしや…」と、わが聖徳太子が隋の煬帝に使いを送った昔、日本にとっての世界は、中国と、その先のインド=天竺を見るくらいが限度だった。それから1400年の時を隔てて、現代の日本人は、マグレブ=日没する大地と称される北西アフリカのモロッコを旅することも容易になった。
鉄道とバスと乗合タクシーを使って歩いたモロッコの旅。滞在10日目の今日、列車でカサブランカに戻ってきたわけだが、10日間の行程は、内容が激しかっただけに1ヶ月にも3ヶ月にも感じる道のりだった。

初めて海を渡って、ヒマラヤの国ネパールを旅したのがちょうど10年前。旅は挑むものだと思い定めて、僕は常に単身、未知の国に乗り込んできた。この10年で様々な国に挑み続けて、今回のモロッコは14回目の旅となる。これまで旅をした国々は、挑むほどに、想像も及ばない多様な世界を見せてくれた。

僕の師匠の山本夏彦翁は、日本式のツアーで大勢の日本人と連れ立ってゾロゾロ外国に出向いたって、外国を見たことにはならぬと、その辛口のコラムで言っている。僕はそれと同じ思いで、あえて1人で未知の国に挑んできた。

しかし、14回も挑んだのだ。そろそろ気負わずに、羽を伸ばす旅を楽しんでも良い頃ではないかと、僕は思っている。
モロッコ紀行 | comments (0) | trackbacks (0) admin

Comments

Trackbacks

Trackback URL : http://www.saftyblanket.com/travel/2008/sb.cgi/239