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問答無用のこともある

「子供を育てるのに何かこだわりはあるんですか?」

この間、会社の後輩女史にこう尋ねられました。
こだわりって言ってもねぇ。娘はまだ話すこともできないし、善し悪しの区別もつかない。教えて分かるにはまだ少し早いので、これから考えていこうくらいに思ってました。子が生まれたばかりなら、“親”稼業もまだ始めたばかりだからね。
でも、思うことはあります。

僕は田舎育ちなので、ふるさとの人と自然に囲まれて生かされてきた、という感じが、この歳になってすごくするんですね。お寺に行くと、昔々のご先祖が寄進した記録が壁に掛けられていたりして、連綿と続けられてきた営みがあって自分がいるんだと思ったり。

けれど娘は生まれたときから都会にいる。「ふるさと」と言える場所がないので、自分1人で生まれてきて、生きている、と思いこんでしまうおそれがある。

だから、祖父母がいて、親がいて、自分が生まれて、という「つながり」というものは、ちゃんと教えなきゃダメだな、と。

よく、友達のような親子関係なんて聞くことがありますが、僕は反対です。親は親、子は子。親は、自分がこれまで上の世代から伝えられてきたこと、自分で学んだことを、子供に伝える義務がある。親が子に教える場合は、問答無用のこともあるのです。「どうして人のものを盗っちゃいけないのか」なんて、理由も何もありません。一言、それがルールだ、と言えばいい。

そうやって色んなことを伝えていって、一人前の大人、一人前の日本人に仕立て上げなきゃなりません。子育てって、大変な仕事です。
コラム・雑記 | comments (4) | trackbacks (0) admin

Comments

tk-cafe | 2009/01/24 03:05 PM
僕も親子の関係は親子であって、友達みたいな感じなのは嫌ですね。
母親と娘がそういう関係になりやすいらしいですけど。そういうラインはお互いに侵すべきではないような気がします。まだ女房すらいない僕が言うのもなんですが。。
HARU | 2009/01/25 08:58 PM
やっぱりそうですよね。同じ考えの人がいて良かった(笑)。

子供はまっさらで生まれてくるのだから、最初は欲求を表に出すことしかできない。それしかできなければ動物と一緒です。何が良くて何が悪いかを問答無用で教え込んで、人間世界でやっていけるようにしつけなければなりません。

友達みたいな親子で、いつも子供の意見を聞いてあげるなんて、どんな子に育つんだろうと思ってしまいます。
まつもと | 2009/01/28 03:48 AM
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます☆
問答無用のこともある、というのは本当にそうだと思います。「国家の品格」の中でもいわれていましたね。
いまの大学の一年生などをみていても(私より5つ下くらいです)、当然のことを当然として叩き込まれていないのだなと感じることが多々あります。
学校教育もですが、やはり家庭での親子の関係も考え直す必要があるのでしょうね。
HARU | 2009/01/28 11:09 PM
明けましておめでとう。
久しぶりだけど、元気でしたか?

「国家の品格」に書いてあったかは覚えてなかったけど、書いてありそうなことです。このレビューのタイトルも、藤原正彦を絶賛する夏彦のコラムから拝借したものだから(笑)。

当然のことを当然としてたたき込まれることもなく、個性なんて育つはずがありません。もちろん、たたき込む場は、第一に家庭だよね。我が子を軟弱な人間にしないように、しっかり育てなきゃいけません。

ところで今年も東京に来る機会があったら教えてね。また飲みに行きましょう。