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鍵を手にするまでの道のり

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「都会は生き馬の目を抜くところだから気をつけろ」

これは、16年前、大学に入るために上京する僕に祖母が言った言葉。
嫁に来てから50年、外の世界に出たことのなかった祖母の言ったことですが、家探しをしながら、それをしみじみ実感しました。
前回の記事で、築28年ながら気に入った家を見つけることができたことを報告。けれど、そこにたどり着く道のりは、なかなか厳しかった。

家はひとつとして同じものがありません。たとえ同じ建て売りの新築でも、建っている場所が違えば、日当たり、風通し、地盤の状態などの条件はすべて違っています。

中古住宅ともなれば、それはなおさら。

しかも、家探しの現場では、買い手の立場がまだまだ弱いというのが今回の実感です。交渉の相手は不動産のプロ。素人ながら関連本を読みあさって物件の善し悪しを見定め、旅先で値段交渉をするような気構えで何度も交渉の場に臨みました。

とにかくね、安心して買い物ができる状況じゃないんですよ、不動産売買の現場は(笑)。

そもそも、その物件には重大な欠陥があるのかないのか、業者は責任を持とうとしない。ちょっと気に入ったそぶりを見せるとさっさと契約手続きに進もうとする。重要事項の説明はハンコを捺す直前にやって済ませようとする−。見知らぬ国を1人で旅するのと少しも変わらないんです。

こっちは一生で一番大きな買い物なのに、売り手側は絶対に主導権を渡そうとしない。素人が事前学習もなしに対等な「交渉」なんでできるものじゃありません。

相応の知識と相手の言葉に流されない度胸。良い家を買うためにはこの2つが欠かせません。

1人旅の経験は、意外なところで生きてくるものです。
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